離婚目前の夫婦が豪邸の所有権をめぐってバスルームにカニを投げ入れたり、顔面にオレンジを投げつけたり、さらには書類に火をつけて渡したり、銃まで持ち出して嫌がらせの範疇を超えるレベルの“命懸けの夫婦喧嘩”を繰り広げる映画『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』。公開を迎えた初日に解禁されたのは、そんな夫婦喧嘩から一転、豪邸を巡って離婚協議の場についた二人が、親友で弁護士のバリー(アンディ・サムバーグ)から「考え直せよ。君らはお似合いの夫婦だ」と諭されるシーン。
ロンドンからロサンゼルスにやってきた夫婦が最初に仲良くなったバリーは、テオ側の弁護士として同席しますが、どちらとも交流があるからこそ二人が一緒にいることを望んでおり、ローズ夫妻の崩れゆく関係に苦悩する様子が窺い知れます。
実はバリー自身も、複数の人と同時に親密な関係を持つ恋愛スタイルである妻・エイミー(ケイト・マッキノン)との夫婦関係に苦労しているからこそ「相手を殺したくなる日があっても、そうじゃない日も、パートナーは必要なんだ」と説得。さらに「“ノー”と思っても“イエス”と答えろ」と忠告。最後に「君たちならやれるさ」という一言で、アイビーとテオは冷静になってお互いを見つめなおしますが、離婚専門の弁護士・エレノア(アリソン・ジャネイ)は「でも、家は渡さない」と一蹴。一瞬だけでも円満解決の様子が見られた二人の今後が気になる映像となっています。

脚本を担当したトニー・マクナマラにとって最も重要なのは、観客がテオとアイビーが直面する困難に共感することだといいます。「私は観客がテオとアイビーが別れないよう応援してほしいと思いつつも、それがどれだけ難しいか理解してほしいんだ。観客として、彼らが突然お互いに優しくなることを望んでいるとは思えないよ」と語るように、現実の夫婦関係同様に一筋縄ではいかない展開によって、より共感しながらも楽しめる作品となっています。

夫婦が離婚協議で奪い合うことになった豪邸は、仕事も地位も名誉も失い、失意のうちにいるテオのために、アイビーが提案したもの。つまりアイビーの資金により、テオが設計した豪邸となっています。今回解禁された場面写真では、豪邸の設計を始めることで復活したテオと、レストランの事業を拡大して波に乗るものの、そのほとんどが豪邸の建設費に消えてしまうことを気にするアイビーの様子が。はたして豪邸はどちらのものになるのか…?
一度は愛を誓った夫婦でありながら両者一歩も譲らない、まさに“命がけの夫婦喧嘩“を描いた本作は、食欲を刺激しまくる料理や斬新な建築デザインなどハイセンスなビジュアルも見どころ。誰もが自分と重ねながら、愛する人との時間を思い出さずにはいられない、この秋最高のコメディムービーにご期待ください!